ハリウッド女優のアン・ハサウェイが表紙を飾ったビッグイシュー359号のテーマは「紙の力」でした。
現代社会は驚異的なスピードで技術革新が進む無限大において、もはや紙は必要なくなってきています。
インターネットや電子書籍の登場によって本屋の売り上げは落ち続けているし、環境保全のためにできるだけ紙を使わない生活をすることが望まれています。
コストカットを目的として、できる限り印刷機を使わないようにという指示が出ている会社もあります。
環境を破壊し、コストもかかり、劣化してしまう紙は電子データに太刀打ちできないのでしょうか?
今回のビッグイシューはそんな紙の可能性について特集する回でしたが、少し面白い実験結果が公開されていたので紹介しますね。
目次
電子データはあらゆる面において紙より優れているのだろうか?
紙とデータ、どちらがいいのか?
その問いに対する答えは、「時と場合によって変わる」というのが正しいと思います。
(少なくとも現在の技術では、、、将来的にどうなるかはわかりません)
例えば、紙の本と電子書籍にはそれぞれメリットとデメリットがあります。
メリット | デメリット | |
紙の本 |
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電子書籍 |
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他にもありますが、よく言われるのは上記の点だと思います。
なので、出先で読むなら持ち運びやすい電子書籍がいいけど、家でゆっくり読むなら紙の本がいい。
きっとそう思う人がたくさんいるはずです。
僕は読書は電子書籍でやっていますが、仕事で書類のチェックをする時には紙で印刷することが多いです。
なるべく印刷しないように、と指示が出ているんですが、どうしても紙でチェックしたいんですよねー。
複数の紙を並べて同時にチェックしたり、数ページ前や後の資料に飛んでチェックしたり、そういうことはパソコンの画面だとうまくできないですよね。
同僚も友人も同意見だったので、書類チェックに関しては紙の圧勝なんだと思います。
と思っていたら、、、今回のビッグイシューでまさにその話が特集されていました。
どうやら紙の優位性が科学的に証明されたようです。
紙の使うと文章の校正作業がはかどる
この度、富士ゼロックスで働く研究者の方が紙の持つ本当の優位性について科学的に証明されました。
その優位性とは、校正作業のスピードも精度も上がることです。
例えば、紙とダブレット端末を使って文章の校正作業をさせたところ、紙を使った方が17.2%も高い割合で誤りを見つけることができました。
また、複数の資料にまたがる校正作業においては、25%以上も早く作業を完了できたそうです。
文書の特定のページに飛び、テキストの中から答えを探す実験においては、紙はPCよりも36.5%、タブレットよりは38.6%も早く完了しています。
仮に紙を使って1時間かかる校正作業をタブレットでやると1時間15分、2時間かかる作業だと2時間30分かかる計算になります。
これが何日も何回も積み重なるわけですから紙を使うことによる時間的なメリットは計り知れません。
紙を使うと信頼関係を築きやすくなる
「紙を使う=信頼関係を作れる」という式はなかなか理解しづらいと思います。
僕も最初はよくわかりませんでした(笑)
なので、こう補って考えてください。
「紙を使う=相手の目を見ながら話を聞く=信頼関係を作れる」
要は、アイコンタクトが信頼関係を作るという論理なんですよ。
その論理を証明する例として紹介されていたのが、英国警察です。
英語国警察は90年代に取り調べを電子化しようとして失敗したんですが、その理由が、
PCやタブレットを使って容疑者の話をメモする
↓
機械に集中してしまい、相手の目を見る余裕がなくなる
↓
信頼関係を作れず、うまく話を聞き出せない
ということだったようです。
僕らは鉛筆を持って紙に何か書くという工程を体に染み込ませてからPCやタブレットなどを学びますから、どうしても紙とペンの方が使いやすくなっています。
【紙の場合】使いやすい=余裕がある=相手の目を見られる
【PCの場合】使いづらい=余裕がない=相手の目を見られない
こういう方程式が成立してしまうんですね。
なので、幼い頃からPCやタブレットばかり使うようになれば、電子機器を使っても余裕を持って相手の目を見て話を聞き、信頼関係を作れるようになるかもしれません。
最後に
今回は、一般的にはあまり取り上げられていない紙の優位性について紹介してみました。
「紙不要論」を唱えている方を見かけたらこの話をしてみると面白い反応が返ってくるかもしれませんね(笑)
ビッグイシューを売っている場所やその他の詳しい情報は公式ホームページから確認できます。また、ビッグイシュー基金を通して寄付を行うことも可能です。興味のある方は以下の公式サイトを確認してみください。
ではまた
周登
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