映画「ボヘミアン・ラプソディ」が空前の大ヒットを記録した俳優ラミ・マレックが表紙を飾るビッグイシュー360号ですが、実は僕はボヘミアン・ラプソディを見ていません。
ということでラミ・マレックの特別インタビューにもあまりそそられるものはありませんでした。
でも360号の中に、とんでもない記事が隠されていました!
それが、「Seed〜生命の糧」という映画のレビューです。
たった1ページの記事なんだけど、見出しが衝撃的すぎて3度見くらいしちゃいました(笑)
目次
野菜の種子、94%が20世紀に消滅。
世界中のどの国を見渡してみても、野菜が全く出てこない家庭はないんじゃないか。
ベジタリアンやビーガンは耳にしても、肉しか食べない人はあまりいないんじゃないか。
それくらい野菜は僕ら人間にとって欠かせない食材なんですが、実は野菜はみんなが気がつかないうちに多様性が大きく失われてしまったのです。
その数値は衝撃的で、94%の野菜が消滅してしまったそうです。
え?94%も消滅したのに人間は生きていけるの?
そんな激減しているのになんで気がつかなかったんだろう?
ふとそんな疑問が出てきましたが、よく考えてみると、僕らは野菜を買うときに種類なんて見てませんよね。
もちろんキャベツ、ナス、人参などの大きな枠では見ています。
でもグリーンボール、サボイキャベツ、エンスイキャベツ、ハボタンなどの種類は気にしていません(これらはキャベツの種類です。本当はもっと細かいですが、代表的なものだけピックアップ)
僕はいつも同じ種類のキャベツを買って、いつも同じような料理をしています。
だから自分が食べていない種類のキャベツがなくなっても全然気がつきませんでした。
きっとほとんどの人たちが僕と同じように気がつかなかったと思います。
だから94%の野菜が消滅したと言われてもピンときません。
そこで記事から具体的な数値を抜き出してみました。
例えば、キャベツはもともと544品種ありましたが、20世紀中にたった28品種まで激減してしまいました。
つまり95%のキャベツは地球上から姿を消してしまったわけです。
カリフラワーは、158品種あったものが、たったの9品種になってしまいました。
キャベツと同様に壊滅的な被害を受けていますよね。
94%が消滅した計算になります。
日本ではあまり馴染みがないかも知れませんが、アメリカやヨーロッパで広く食べられているアーティチョークは34品種が2品種になりました。
カリフラワーと同様に94%が消滅しています。
こうやって数値にしてみると本当に野菜の多様性は壊滅的なダメージを受けていることがわかります。
生物多様性とか絶滅危惧種などと言って、動物の保存はよく議題に上がっていますが、野菜の多様性と保護こそ本気に議題にあげたほうがいいんじゃないでしょうか。
このペースで行くと、近々、それぞれの野菜について1種類ずつしか残らないかも知れません、、、
自然淘汰ではなく人の手による種の抹殺はいずれ人を殺すかも知れない
野菜の種子が減っていくことの何が問題かというと、それが人の手で人工的に起こされているということです。
長い地球の歴史の中で、野菜以外にも動物や植物が生まれては滅んできました。
でもそれは自然淘汰であり、誰かの手によって意図的に起こされたものではありません。
地球の環境に応じて自然と起きた変化なら、今後も地球環境の変化に対応できます。
ある野菜の品種が特定の病気に弱くても、同じ野菜の別の品種はその病気に対抗できるかもしれません。
でも今の人間の生活に都合のいい品種以外を消滅させてしまえば、将来のとある病気や天候変化に勝てるはずだった品種がいなくなってしまいます。
そしていざ食糧危機を引き起こす災害が起こっても対応できません。
そういった未曾有の災害に備えて、野菜の種子を保存する機関も存在しています。
でも種子は何台も自然に交配を繰り返して環境に適応しようと進化していくものです。
倉庫で寝かせていても本当の多様性は確保されないでしょう。
(もちろん保存しないよリは何百倍も何千倍もマシですが)
どうして野菜の種子は消滅してしまったのか?
人が引き起こしたとは言うものの、いったいどうやって94%もの種子を消滅させたんでしょうか。
その答えは「米国の巨大企業による特許を持った種子の開発」です。
僕のような一般人が種子ビジネスをやっても成功しないんですが、その理由はなんでしょうか?
ビジネスのセンスがないから?
資本力がないから?
土地がないから?
答えは、種子が一回しか売れないからです。
その辺で売っている種子から野菜を育てて、その野菜から種子をとって、、、その工程を何回も繰り返せば手元に残る種子の数はネズミ講のように売買で増えていきます。
その種子が売れれば儲かりますが、まず売れないでしょう。
なぜなら買った人も同じように種子を自分で増やせるからです。
だから同じ種類の種子は同じ人には2度と売れません。
ではどうすれば種子を売って儲けることができるのか?
その答えはとても単純です。
毎年買わないといけない種子を売ればいいんです。
それが、米国の企業が開発した特許を持った遺伝子組み換え種子です。
特許をとっているので、開発した人以外は自分で種子を作ることができません。
つまり毎年開発者から買わないといけないわけです。
そんな種子を買ってしまったら毎年買わないといけないので誰も買いたがらないと思いきや、そこが企業の腕の見せ所。
遺伝子組み換えした種子は、病気に強かったら、育つのが早かったり、均一の品質が必ず出たりと、一般的な種子にはない嬉しい特徴がいっぱいある訳です。
だから農家は企業から特許種子を買ってしまう
↓
毎年買い続けなければいけない
↓
もともと作っていた種子は植える余裕がなくなる(企業がもともと作っていた品種の種子を全て買い上げてしまうこともあります)
遺伝子組み換えされた野菜を喜んで食べている私たち一般消費者にも責任の一端はあります。
いったいどうしたらいいんだろうか。
スーパーで買い物をするときは野菜の品種に気をつける。
そんな地道な努力以外に野菜の多様性を維持する方法はないんでしょうか、、、
何かいい方法があったら教えてください!
ビッグイシューを売っている場所やその他の詳しい情報は公式ホームページから確認できます。また、ビッグイシュー基金を通して寄付を行うことも可能です。興味のある方は以下の公式サイトを確認してみください。
ではまた
周登
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