【ビッグイシュー376号】世論調査結果は信頼できるの?実施者・頻度・方法まとめ

ビッグイシュー376号

ビッグイシュー376号の特集は「世論調査と社会」

世論調査なんてあてにならないって思っていませんか?

僕は思っていました笑

でも実は世論調査の数字はめちゃくちゃなものじゃない。民主主義を支える大切な指標なんだということが分かるとても役に立つ特集でした。

そこで今回はよく耳にするけど実際は何をやっているのか、何の役に立っているのかわかりづらい世論調査について紹介していきます。

 

世論調査は誰がやっているの?

ビッグイシュー376号

出典:ビッグイシュー376号誌面

世論調査は国がやっていると思っている人もいるんじゃないでしょうか?

僕もそう思っていた時期があります笑

 

でも実際の世論調査は国ではなく企業(新聞社やテレビ局)がやっています。

 

そのため世論調査は一つではなく実施している会社の数だけ存在します。

しかし調査の方法は共通していて、調査方法は以下の電話聞き取りと個別面接の2種類だけです。

世論調査の種類

出典:同上

電話形式の世論調査はいくつかの会社が合同でやっているので組み合わせもまとめておきました。

  1. NHK
  2. 読売新聞(日本テレビで合同)
  3. 毎日新聞
  4. 共同通信
  5. ANN(テレビ朝日、報道ステーション)
  6. 日経新聞(テレビ東京と合同)
  7. 産経新聞(FNNと合同)
  8. JNN(TBS)

 

質問の内容は、
「憲法改正に賛成ですか?」
「政府のコロナウイルス対応を支持しますか?」
などそのときに世間の関心のあることですね。

でも同じことについて各社が別々に質問するなんて時間と金の無駄のような気がしますよね。

でも実際には同じ事柄に対して各社が違った質問の方法をしているんですよ。(だから結果も違う)

 

アンケート用紙の作り方によって回答を誘導できてしまう

世論調査があてにならないという人はきっと質問項目の作り方によって回答を誘導できてしまうことを知っている人です。

例えば、

1、安倍総理を支持しますか?
2、専門家の意見を聞かずに唐突に全国の小学校を休校にした安倍総理を支持しますか?

こんなふうに質問したら2の場合の支持率は落ちます。

 

逆に

3、コロナウイルスに対して迅速な判断を下し世界から称賛されている安倍総理を支持しますか?

こんなふうに質問したら支持する人が増えるでしょう(笑)

 

上記質問はかなり露骨に説文を変えたので違和感があります。

しかしアンケートを作るプロたちは違和感を全く与えずに回答を誘導する設問と質問順序を組み立てることができます。

 

だから同じ事柄(例えば共謀罪)についての世論調査の結果に各社でばらつきがあるわけです。

そして国民は世論調査は誘導されているからあてにならないと思うわけですね。

これはまさに以前の僕です(泣)

 

世論調査の内閣支持率は信頼できるの?

しかしすべての世論調査が各社の意図によって誘導されているわけではありません。

実は世論調査には暗黙のルールがあり、内閣支持率については必ず一番最初に聞くことになっています。

もし内閣支持率を聞かれる前に内閣の素晴らしい実績または不祥事について聞かれていたら、支持率はそれらの質問に誘導されてしまいます。

しかし「あなたは内閣を支持しますか?」と一番最初に聞かれていたら?

その回答には質問者の意図は含まれていないのであなた独自の意見になります。

ということで、世論調査における内閣支持率については一定の信頼性があると言えますね。

 

誰が内閣を支持しているの?

僕はこれまでの約30年の人生で素晴らしいと思う内閣に出会ったことはありません。

テレビをつければいつでも不祥事が放送されていますからね(泣)

 

でも自民党内閣は倒れません。(一時期民主党になりましたが本当に一瞬でしたね)

 

自民党が政権を取り続ける理由はもちろん日本国民が支持しているからです。

でも自分の周りには自民党を支持している人があまりいないから不思議だなあと思っていました。

しかし、今回の特集を読んでその疑問に対する答えがわかりました。

 

その答えを表す表がこちらです。

赤くなっている部分が与党(自民+公明)を支持している地域です。

全国の与党支持率

出典:同上

そう、与党の支持者は西日本に集中しているんです笑

これは安倍さんや麻生さんなどの有力議員(お金持ち)が西日本の出身だからということなんでしょうか?

逆に関東から東北、北海道にかけては色が薄くなっているところが多く、野党支持者が多いことがわかります。

こんなに露骨に支持者の居住地が分かれているとは思わなかったので衝撃的でした。

 

もちろんこの傾向は実際の投票にも現れています。

与党支持率

与党を支持する地域が赤色(出典:同上)

野党支持率

野党を支持する地域が赤色(出典:同上)

 

若者が投票に行かないから自民党が与党?

地域ごとの支持者分布はわかりました。

次に世代ごとの支持です。

これもなかなか興味深いデータが公開されていました。

世代別政党支持率

出典;同上

オレンジと赤が与党なので、世代が上がるほど与党の支持率も上がることがわかります。

つまり若い世代は与党を支持せず、その代わりにどの党も支持しない人たちが増えています。

これは有名な話なので知っている人も多いと思います。

しかし30−40代の働き盛りの大人たちも半数ほどがどの党も支持していないというのは驚きでした。

一般的に高齢者ほど投票率が上がるので、60代以上の支持を固めている与党が勝つわけですね。

 

若者が投票に行けば政権交代できるという図式なんですが、まあ今後も行かない人が多いので難しいですねえ。

投票を権利ではなく義務にすれば投票率が上がりますが、そうすると若者が野党に投票して政権交代が起こってしまう確率も上がります。

つまり与党が投票を義務にすることは今後もないでしょうね。

個人的には憲法9条の改正よりも投票の義務化を先にやって欲しいです。
そうすれば選挙が近づいたら高齢者にお金をばら撒いておけばいいなんて適当な政治が少しはマシになるかも。

 

世論調査は政権の支持率を判断する大事な基礎データなので、もし電話調査や個別面接の対象に選ばれたら真面目に答えましょう。

計算してみたところ、一年以内に対象になる確率は0.1%以下でしたが(笑)

 

世論調査に関する興味深いデータと考察をさらに詳しく知りたい方は、この特集でインタビューされていた「みらい選挙プロジェクト」の三春さんが書かれた書籍を読んでみてください。

 

 

ビッグイシューを売っている場所やその他の詳しい情報は公式ホームページから確認できます。また、ビッグイシュー基金を通して寄付を行うことも可能です。興味のある方は以下の公式サイトを確認してみください。

ビッグイシューホームページ

ビッグイシュー基金ホームページ

 

それではまた

周登

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