【ビッグイシュー379号】日本で生まれ日本語しか話せないのになぜ日本人になれないのか?【血統主義と重国籍】

ビッグイシュー379号

ビッグイシュー379号の特集は「移民社会を生きるヒント」

2019年に出入国管理法が改正され、これまで以上に多くの外国人労働者を受け入れる体制が整えられました。

日本政府は外国から単純労働者を受け入れないとしていますが、実際のところ、単純労働者と思われる外国人労働者が大量に日本に入ってきています。

合法、非合法問わず、そのうちの何割かは将来的に日本に定住するでしょう。

人口減少と国際化の波は日本の移民社会化を間違いなく加速させるはずです。

でも現状では日本政府の外国人に対する扱いは酷いものです、、、

 

ビッグイシュー379号に日本で暮らす移民が直面する問題について特集が組まれていたので紹介しますね。

 

技能実習制度を悪用する国内企業が外国人を苦しめている

外国人が日本に来て働く制度として現在最も一般的なものは技能実習制度です。

この制度は、主に途上国出身者が日本で働きながら何らかの技術を学び、それを母国に持ち帰ることを目的としています。

 

ただしこれは建前で、本音は単純労働者を日本に連れてくることです。(僕はそう思っています)

 

日本に働きにくる人も大半は技術を学びたいのではなく、母国よりも高い賃金を得たいと思って来日しています。

実際、仕事でよく訪れるミャンマーで知人に「どうして日本に行きたいのか」と聞いてみたところ、「お金が稼げるから」という回答が大半でした。

 

単純労働者が欲しい日本と、お金を稼ぎたい外国人の利害が一致しているので技能実習制度の存在そのものを批判するつもりはありません。

しかし一点だけどうしても納得がいかないのが、技能実習生に転職を認めていない点です。

 

もし本当に技能実習制度が来日者の技能を高めて自国に持ち帰ってもらうことを目的としているなら、より良い環境で技術を学べる場所に転職する権利を与えるべきです。

技能実習生を受け入れた企業がブラック企業だったり、技術を真面目に教えてくれない企業だったりした場合、技能実習生が日本にくるために支払ったお金と時間と労力が無駄になります。

 

技能実習生は転職する権利を持っていないため、受入先の企業を辞める=帰国になります。

でも日本で大して稼げていないのに母国に帰るわけにはいかないなどの事情がある人は自分を押し殺して働き続けるか、逃亡して別の企業で非合法で働くしかありません。

後者は不法滞在、不法就労にあたるので見つかれば強制送還です。

強制送還された人は母国に帰ってから日本の悪口を言うでしょう。

これが続けばそのうち日本に来てくれる人はいなくなります。

 

回り回って日本が損をするのにどうして制度を変えないのか本当に謎です。

 

国際化が進む現代において血統主義は恵まれない子どもを増やしてしまう

日本国内にいる外国人は技能実習制度のように自分の意思で来日した人だけではありません。

日本に住む外国人から生まれた2世、3世も含まれますよね。

中には、父親も母親も外国人だけれども、日本で生まれて、日本で育ち、日本語しか話せない子供もいます。

文化も考え方も日本人と全く変わりませんが、残念ながら彼らのような外国人の子供の中には日本国籍を持っていない人も含まれています。

 

その理由は日本の国籍認定が「血統主義」だからです。

 

血統主義は、両親のどちらかが日本国籍保持者であれば、子どもは世界中のどこで生まれても日本国籍を取得できる制度です。

逆に言うと、父親も母親も日本国籍を持っていなければ日本国内で生まれても日本国籍をもらえないということです。

そのため、日本で生まれて日本で育った日本語しか話せない外国人という存在が生まれます。

 

一方で、両親の国籍に関係なく、自国内で生まれた子供に国籍を与える制度は「出生地主義」と呼ばれます。

例えば、アメリカはこの出生地主義を採用している国です。

日本人がハワイで子どもを出産したら、子どもはアメリカ国籍を取得できるということですね。(この場合、日本が血統主義なので子供は日本とアメリカの二重国籍になります)

 

もちろんどちらにもメリットとデメリットがありますが、国際化が進む現代においては出生地主義がメジャーになっていくべきだと思っています。

そうでないと現在日本国内で苦しんでいる外国籍の子供たちが今後も増え続けます。

 

自分の意思で日本に来る人も、たまたまで日本で生まれた人もどちらも苦しむ現在の日本の制度は本当に改善の余地ばかりです。

 

移民社会を生きるヒントは今日本国内で苦しんでいる人に寄り添えば自然と見えてくるものなんだと思います。

 

ビッグイシューを売っている場所やその他の詳しい情報は公式ホームページから確認できます。また、ビッグイシュー基金を通して寄付を行うことも可能です。興味のある方は以下の公式サイトを確認してみください。

ビッグイシューホームページ

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周登
ではまた!

 

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