【ビッグイシューのジレンマ】路上販売者・販売部数の減少による経営悪化を定期購読者増で改善できる?

ビッグイシューのジレンマ

2月に購入したビッグイシューに「値上げのお願い」というチラシが挟まれていました。

そこに書かれていたビッグイシューのジレンマについて思うところがあるためこの記事にまとめておきます。

定期購読に関してビッグイシュー本部に問い合わせしてみた結果も載せています。

 

ビッグイシューのジレンマと定期購読のジレンマ

 

今回はそんなお話です。

 

ビッグイシューの活動がうまくいってしまったので値上げすることになった?

 

このグラフを見て分かる通り、ビッグイシューの路上販売者は年々減少しています。

つまり、ホームレス・定職につけない方がどんどん減っているということです。

 

ビッグイシューは路上生活者に収入を得る機会を提供し、路上生活から抜け出すことを手助けするために生まれた会社です。

(団体ではなく会社であるということがビッグイシューのジレンマのポイントです)

 

その理念がしっかりと社会に根付き、成果を出したからこそ路上生活者は毎年着実に減っています。

これは本当にすごいことですよね。

 

でもビッグイシューの事業がうまくいって路上生活者が減るほど、ビッグイシューの経営状態は悪化していくんです。

なぜならビッグイシューを販売してくれる人がいなくなっていくから、、、

 

路上生活者が紙の雑誌を手渡しで売ることに意味がある

日本は少子高齢化であらゆる業界で人手不足が課題になっています。

ロボット化、ネット通販、電子書籍化といった方策で人手をかけずに経営するスタイルに移行する会社も出てきていますよね。

でもビッグイシューは「途上生活者自身」が紙の雑誌を販売することによって収入を得るというビジネスモデルです。

雑誌を電子書籍化して印刷費を抑えたり、ネット通販を強化して人件費を抑えたりといった方法をとってしまうと路上生活者にお金を渡す手段がなくなってしまいます。

 

非営利団体であれば寄付を集めて路上生活者にお金を配るのかもしれません。

でもビッグイシューは会社であり、路上生活者は会社から雑誌の販売を委託された個人事業主です。

そのような対等な関係性を結んで、努力した方に努力した分だけ報酬を得てもらうシステムがビッグイシューの雑誌販売です。

路上生活から抜け出そうと努力していない方にお金を渡す団体ではないので、路上生活者を介さずにネットなどで機械的に雑誌販売することに力を注いでいないんだと思います。

 

でもそのままの経営だと「路上生活者の減少=ビッグイシューの販売部数の減少」は避けられません。

販売部数が減ってしまっても経営にかかる固定費は変わらないので収益はどんどん悪化します。

路上生活者が減り販売部数が減っても経営を続けていくための方法として最も即効性があるのは何か?

 

ビッグイシュー本部が出した結論は「雑誌の値上げ」でした。

 

今まで350円でしたが、4月1日から450円に値上がりすることが決まったそうです。
(販売者の収入も180円から230円に上がります)

僕はその値段でも書いますが、これを機に買うのをやめてしまう人が出てきてしまうかもしれませんね。

ビッグイシューの働きによって路上生活者が減ると、経営が悪化する、、、ビッグイシューのジレンマはそう簡単には解決できないですね(泣)

やっぱり経営って難しい

 

販売単価を上げる vs 販売部数を増やす

路上生活者の減少により販売部数が落ちてしまう

これによって経営が圧迫されることを防ぐ方法は基本的に2つです。

 

  1. 雑誌を値上げする
  2. 路上生活者に頼らない雑誌の販売を増やす

 

1はこの4月から実施されます。

2は路上生活者に収入機会を与えられないのでビッグイシュー本部は本腰を入れていないのでは?と言いました。

でも実際は路上生活者を介さない雑誌販売も取り組んではいます。

それが雑誌の定期購読です(↓)

 

これは購入者がビッグイシューと年間契約を結美、雑誌の販売時期(毎月1日と15日)に最新号を郵送で送ってもらうものです。

これによって悪天候、出張、販売者が見つからないなどの何らかの事情により雑誌を買わなくなってしまうことを防げます。

定期購読者が増えるほど雑誌の販売数は増えるので、ビッグイシュー本部の経営は安定します。

 

でも一つ問題があります。

それはこれまでにお話ししている通り、路上販売者を介さない雑誌販売をしても路上販売者にお金が渡らないということです。

 

もしかしたら定期購読者が支払ったお金の一部は雑誌販売者に還元されているのでは?と思い、本部に問い合わせて見ました。

その回答は「定期購読は会社の収入を安定させるためのものなので、特定の販売者に還元するといったことはしていません」というものでした。

まあ予想通りの回答だったので驚きはありません。

でもビッグイシューを毎回買うつもりなんだけど、出張などが重なって買えないことってありますよね。

そういう時にいつも買っている人に収入機会を提供できないのは残念です。

定期購読しつつ、販売者の方に収入機会を提供できる方法があるとうれしかったんですが、そううまくは行かないですね。

 

定期購読すると販売者の方にお金を渡せない。

 

これは定期購読のジレンマと呼べるのでは???

そんなことを思った今日この頃でした。

 

令和に入ってからこのブログで毎号ビッグイシューを紹介していますが、記事をきっかけに雑誌を買ってくれた人はいるのかなあ。

いてくれたら嬉しいなあ。

それが積もり積もって路上生活者の減少につながるともっと嬉しいなあ。

ビッグイシューは路上生活者を助けるといった社会的意義とは別に、単純に雑誌として面白いものだとも思います。

まだ読んだことがない人はぜひ一冊買ってみてください。

きっとハマりますよ!

 

ビッグイシューを売っている場所やその他の詳しい情報は公式ホームページから確認できます。また、ビッグイシュー基金を通して寄付を行うことも可能です。興味のある方は以下の公式サイトを確認してみください。

ビッグイシューホームページ

ビッグイシュー基金ホームページ

 

周登
最後まで読んでいただきありがとうございました!

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