前回のブログでインレー湖のボートツアーを詳しく紹介したので、今回はインレー湖周辺の観光スポットを紹介します。
紹介する観光地は「カックー遺跡」です。
カックー遺跡自体はインレー観光で拠点となる街ニャウンシュエではなく、隣町のタウンジーにあります。
しかしタウンジーに泊まってもあまり観光する場所がないので、多くの人がインレー湖観光のために泊まっているニャウンシュエから車をチャーターし日帰りで観光しています。
ということで、僕もニャウンシュエから日帰りでカックー遺跡に行ってきました。そこで今回は実体験に基づいて、
- 行き方
- 料金
- 所要時間時間
- ガイドの有無
- カックー遺跡の見所と楽しみ方
などカックー遺跡観光に必要な情報についてまとめました。
これからカックー遺跡に行こうと思っている方はぜひ参考にしてください。
目次
そもそもカックー遺跡とはどんな場所なのか
カックー遺跡は2000年から外国人にも一般公開されるようになった遺跡で、インレー湖から南東に70kmほどのところにあります。(インレー湖から日帰り観光で行ける距離です)
2000年以前は外国人が立ち入ることができない場所だったので観光地としての歴史はまだまだ新しい遺跡ですね。
成り立ちとしては、12世紀にアウランスィードゥー王が現在のカックー遺跡がある周辺に住むパオ族とシャン族の各家庭に一つずつ仏塔(ストゥーパ)を寄進するよう指示したのがきっかけとなり、現在では2478個の仏塔が建っています。
ということで、歴史的にカックー遺跡はパオ族とシャン族の共有財産です。
カックー遺跡がパオ族の領地にあるので基本的にパオ族が管理していますが、年に一度、カックー遺跡で開催されるお祭りではシャン族とパオ族が協力する様子が見られるそうです(byパオ族のガイドによる説明)
カックー遺跡への行き方・料金・ガイドなど
行き方と料金
カックー遺跡行きの乗合バスは出ていないので、ツアー(車のチャーター)で行くのが一般的です。
ただ、ニャウンシュエから乗るのか、タウンジーから乗るのかで料金が変わります。
- ニャウンシュエからの場合は、往復50,000チャット(約3,570円)
- タウンジーからの場合は、往復35,000チャット(約2,500円)
(レート:1円=14円)
ニャウンシュエから少しでも安く行きたい場合は、乗合バスでタウンジーまで行ってそこから車を手配するといいです。(ただし時間がかかるので滞在日数の少ない方はニャウンシュエから直接行くのがおすすめです)
車のチャーター料は同行人数で割れるので、5人ほど集めれば割安でカックー遺跡まで行けますよ。
所要時間は、ニャウンシュエからは往復4時間、タウンジーからは往復2時間くらいです。
ガイド料と支払う場所
以前はカックー遺跡に入るためには絶対にパオ族(もしくはシャン族)のガイドが必要でした。
しかし現在はガイドの同行は推奨されるものの、絶対に必要なわけではないです。
もしガイドをお願いする場合は、タウンジーのGICオフィスでガイド料5ドルとカックー遺跡の入場料3ドルを払います(チャット払いも可能です)。GICオフィスでカックー遺跡の入場料を払うのでカックー遺跡についてから入場料を払う必要はありません。また一人のガイドで5人まで案内してくれます。(GICオフィスの場所は記事の後半で紹介しています)
日帰り観光料金まとめ
出発場所やガイドの有無で時間や金額が変わるので以下に表でまとめました。
出発地 | (往復) 所要時間 |
(往復) チャーター代 |
(頼む場合) ガイド料 |
ニャウンシュエ | 4時間 | 50,000チャット (約3,570円) |
5ドル |
タウンジー | 2時間 | 35,000チャット (約2,500円) |
5ドル |
ガイドを雇うとカックー遺跡の楽しみ方やパオ族の歴史などを丁寧に教えてくるので結構楽しいし、勉強になります。
でもこの記事を最後まで読んでくれた人はガイドを雇う必要はありません。
なぜなら僕がガイドに教えてもらったことはここに全部書いたからです!
以下、ガイドから教えてもらった楽しみ方や豆知識も含めて当日の様子を紹介していきます。
ニャウンシュエからの日帰りツアー全容
僕は泊まっていたリメンバーインでカックー行きのツアーを申し込みました。ただし、シェアするメンバーがいなかったので一人で50000チャット払いました(泣)
ホテルでピックアップ
8時頃にホテルにチャーターした車と運転手が来ました。トヨタのクラウンです。
これから山越えしてカックー遺跡へ行くのに乗用車で大丈夫か?と思ったんですが、実際は全く問題ありませんでした。
なぜならニャウンシュエからカックー遺跡まで道はずっと舗装されていたからです。
さすが超人気観光地なのでミャンマー政府も力を入れているということでしょうか。
タウンジーでガイドを雇う
ニャウンシュエを出発して1時間弱でタウンジーのGICオフィスに着きました。
ここでカックー遺跡の入域料3ドルとガイド代5ドルを払います。
僕が雇ったガイドは大学生の青年で現地語と英語しか話せませんでしたが、彼によるとGICオフィスには日本語を話せるパオ族のガイドも何人かいるそうです。
事前にお願いしておけば日本語が話せるガイドをつけてもらえるのかもしれません。
GICオフィスの場所
タウンジー(GICオフィス)からガイドとともにカックー遺跡へ向けて出発
ここからはガイドが車に同乗して一緒にカックー遺跡へ向かったので道中1時間ほどミャンマーの教育や政治などについて色々と話しました。
例えば、彼の大学の専攻は地質学なんですが、なぜその学部を選んだかというと、、、、選べる学部がほとんどなかったからです。
実はミャンマーの大学は日本の入試システムとは大きく異なり、高校卒業時のテスト成績の良い学生から順に好きな学部を選択できます。
またそれぞれの学科に基準点が設定されていて、基準点に満たない学生は席に空きがあってもその学部に入ることはできません。
英語や数学、科学系の学科は基準点が高い一方で、ミャンマー語や地質学は低いそうです。
彼は成績が良くなかったので選べる学科がそもそも少なく、その中で少しでも興味が持てそうだった地質学を選んだそうです。
大学の入学試験がないというのは驚きですが、国が違えば何もかも違うのでミャンマーではこれが普通なんですね。
そんな話をしていると、タウンジーから出発して1時間ほどでカックー遺跡に着きました。
カックー遺跡に到着
ミャンマーの連休とかぶっていたので大量のミャンマー人観光客がいました。でも普段のカックー遺跡はガラッガラだそうですよ(笑)
カックー遺跡に入場
門をくぐって観光開始です!
ガイドをつけていない人は入場料をまだ払っていないはずなので、入り口のすぐ右側にある受付で3ドル払ってください。ちなみに入場料は、ドルでもユーロでも「3」という曖昧な値段設定です(笑)
前日のインディン遺跡もストゥーパだらけでしたが、カックー遺跡の方が圧倒的に数が多いですね。
カックー遺跡に来る時間はないけど大量のストゥーパが一箇所に密集している様子を見ておきたい人は、インレー湖のボートツアーでインディン遺跡をコースに入れてください。
インレー湖のボートツアーに参加する方法や料金、見どころなどについては以下の記事で詳しく解説しています。
パオ族のガイドに教えてもらったカックー遺跡の見どころと楽しみ方
ここからが今回の記事で一番大事な部分です。
僕が5ドル払ってガイドを雇った結果、いろいろ教えてもらえた内容を全て大放出します。
カックー遺跡観光がより充実すること間違いなしなので、ぜひ全て現地で実践してください。
1、池にストゥーパを反射させて写真を撮る
入り口に入ってすぐ右側に歩いていくと小さな池があります。
この池の奥(赤い服の女性が屈んでいる位置)に行き、水面を覗き込むように写真を撮るとこんな写真を撮ることができます。
写真を撮るのが上手い人はこの数倍きれいな写真が撮れると思うのでぜひチャレンジしてください(笑)
2、ストゥーパの違いを見る
全部同じに見えるストゥーパ(仏塔)ですが、実はいろいろと違いがあります。
まず、民族による違いがあります。
傘が広いのがパオ族で、細長いのがシャン族です。
どれも同じように見えるんですが、違いを知った上で見ると確かに全然違います。
また、背の低いストゥーパもあります。これは寺院スタイルと呼ばれているそうです。
次に、色による意味の違いがあります。
教えてもらうまで気がつかなかったんですが、ミャンマーのストゥーパは3色しかありません。
そしてそれぞれに違った意味が込められています。
- 赤:勇気
- 白:誠実
- 金:裕福
ということで、カックー遺跡の中央に建っている巨大な白いストゥーパは誠実を表しています。
茶色に見えるものも本来は赤ということなので、勇気を表すストゥーパですね。
ただ、2016年の嵐の影響で多くのストゥーパが倒壊、その後本来の色とは異なる補修がされました。
その結果、本来一つのストゥーパにつき一色のはずなのに、いろいろと色が混ざったように見えるものが多いです。
本来の色は土台部分と同じ赤(というか茶色)一色です。
ストゥーパの先端にはダイヤモンドのレプリカもはまっているのでぜひ確認してみてください。本物のダイヤモンドは盗難防止?のために取り外されています。
3、カックー遺跡の民族融和の象徴(ガーディアン)を見る
冒頭でカックー遺跡がパオ族とシャン族の共有財産と説明したように、カックーにはパオ族とシャン族のストゥーパが入り乱れています。
ただ、大枠では住み分けがされていて、正面入り口側がパオ族、反対側がシャン族です。
なので、入り口と反対側に歩いていくと、シャン族スタイルの細長いストゥーパの数が増えていきます。
そして一番大事なポイントは、両民族の境界(カックー遺跡の中央)に民族融和の象徴としてガーディアンが置かれている点です。
そして、ガーディアンは平和を象徴する青色で塗られています。
ガーディアンのストゥーパと青色のガーディアン
4、パオ族とシャン族の領地の境界を見る
正面入り口から入ってずっとまっすぐ進むんでカックー遺跡を抜けると、平野が広がっています。
そして手前に見える小川が、なんとパオ族とシャン族の領地の境界です。カックー遺跡はパオ族の領地のギリギリのところにあるんです。
衛星写真で見るとこんな感じです。
5、パオ族の始祖アーキミストとドラゴンの像を見る
カックー遺跡のシャン族エリアには屋根付きの本堂があります。
ミャンマーのどこにでもある金ぴかの仏像ばかりが置いてあると思って適当に流してはいけません。
隠れミッキーみたいに一箇所だけすごいのが隠れています(笑)
それがこちら
拡大すると
左側がパオ族の父アーキミスト、右側がパオ族の母ドラゴンです。
でも「ドラゴン???」と思うかもしれません。
僕もなんども聞き返しました。でも何度聞いてもドラゴンでした。
ちなみはドラゴンは、母の個人的な名前ではなく種族名です。(パオ族の始祖であるこの女性には固有の名前はないそうです)
実はパオ族は人間とドラゴンのハーフ、半人半龍の民族なんです。
それを理解してもらうために、パオ族の始まりについてガイドから聞いた説明をここに記しておきます。
信じるかどうかはあなた次第。でも僕は単純にストーリーとして面白いと思いました。
遠い昔、あるドラゴンは人間の女性の姿になって地上に降りてきました。そして森で出会った一人の男性(のちのパオ族の父アーキミスト)と恋に落ちました。二人は結婚し洞窟で共同生活を送っていました。ある朝、アーキミストは妻が起きる前に森に狩りに出かけました。そして獲物を仕留めて洞窟に帰ってくるとそこには見たこともないドラゴンが妻の服を着て寝ていました。妻は自分でも気が付かぬうちにドラゴンの姿に戻ってしまっていたのです。その姿を見たアーキミストは自分がドラゴンとともに過ごしていたことに気がつき落胆し、洞窟を去ってしまいました。それからしばらく経ち、ドラゴンは目を覚まし、自分がドラゴンの姿に戻っていたことに気がつきました。そして夫がそれに気がつき洞窟を去ってしまったことにも気がつきました。しかし、ドラゴンはその時点で身ごもっていました。ただ、夫のいない地上でもう暮らしたいとは思いません。そこでのちに二つの卵を産んだドラゴンはその卵をとある寺院に預け空に帰って行きました。卵を預けられてた僧侶は丁寧に世話を続け、ある朝二つの卵にヒビが入りました。そこで僧侶は卵ん殻をむいて2人の男の子を取り上げました。その後二人の男の子はすくすくと育ち、、、
これで話はおしまいです。
ちなみにパオ族という民族名の由来はこの話から来ていて、
パオ語で、
パ=卵が割れる
オ=殻をむく
という意味です。
つまり、パオ族とは竜の卵から生まれた民族ということです。
二つの卵がどっちも男の子じゃパオ族の純血は存在しないんじゃないかな?なんて野暮なことを考えてしまいましたが、それはまあどうでもいいことですね。
とにかく、パオ族は人間と龍のハーフ
ここが大事なんだと思います(笑)
あと、この話に関連してもう一つ紹介しておきますが、
パオ族独特のターバンは男性はアーキミストの巻き方を真似ており、女性はドラゴンの姿を現しています。
ぜひ現地でパオ族のターバンをよく見てみてください。
カックー遺跡の注意点
カックー遺跡に限りませんが、ミャンマー全土でドローンを飛ばすことはできません。
そもそも国内への持ち込みが違法なので空港などで没収されると思いますが、もし仮に検査をすり抜けてもカックー遺跡では絶対に飛ばさないでください。
もし飛ばしたら銃で撃墜されます!
実際、遺跡内に銃を持った警備員が立っています。
ガイドの青年によると、カックー遺跡を管理するパオ族の族長が「ドローンを見つけたら撃墜しろ」と言っているらしいです(笑)
本当にやるかどうかはわかりませんが、ドローンの持ち込みが違法であることは間違いないので罰金は取られると思います。
持ってきてもバックの中にしまっておいてください。
(おまけ)カックー遺跡前のマーケット
カックー遺跡前にはレストランが一軒と建設中のコテージが何個か、そしてマーケットがありました。
毎日開いているわけではないようですが、僕が行った日は開いていました。
ただ、お土産品というよりは日用品を買うためのマーケットです。
カックー遺跡関連のお土産などはないと思うのであえてマーケットの開いている日を選んでカックー遺跡に来る必要はないと思います。
結局、カックー遺跡には10時半から11時半ごろまで約1時間滞在し、ニャウンシュエに戻りました。
帰りのタイムスケジュールはこんな感じです。
- 11時半:カックー遺跡を発つ
- 12時半:タウンジーのGICオフィスでガイドとお別れ
- 14時前:ニャウンシュエに到着
ということで、14時頃にニャウンシュエに着いたのでまだまだ時間がありました。
そこで僕はここから自転車をレンタルして近くのワイナリーとマッサージに行ったんですが、それらについては別の記事を書きました。この記事と合わせて読んでみてください。
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