バガン観光に行くことを事前に友人に伝えたところ、ポッパ山というヘンテコな名前の山をお勧めされました。
今までまったく聞いたこともなかったけど、ネットで調べてみると何やら面白い場所らしい。
でもピンサルパゲストハウスのフミヤさんに聞いてみると、ポッパ山はバガンから半日(9時から14時くらい)で往復できてしまうとのこと。
*バガンの藤井フミヤさんについては以下の記事で詳しく紹介しています。
ということで、フミヤさんにポッパ山の観光から帰ってきた後でも参加できるイベントなどがないか聞いてみると、ちょうどいいツアーがありました。
それが、街中から少し離れたパゴダを見学しつつ、ボートから日没を見られるサンセットボートツアーです。
で、実際に参加してみると、ポッパ山+サンセットクルーズは一日でかなり色々な場所を見られて本当に充実の一日でした。
「バガンで一日どうやって過ごそうかなあ、寺院遺跡はもう見ちゃったしなあ」って思っている人に最適の観光プランだと思います。
そこで今回は、ポッパ山への行き方や見どころ、料金、サンセットクルージングの内容など全て写真付きで紹介していきます。
目次
ポッパ山は仏教ではなくナッ信仰の聖地
実はポッパ山は正確には山ではなく丘で、現地では「タウンカラッ」と呼ばれています。
バガンから南東に60kmほどのところにあり、ホテル街のニャウンウー地区から車で約1時間〜1時間半くらいで行けます。
そして一番の特徴は、ポッパ山がミャンマー土着のナッ信仰の聖地だということです。
なので他の仏教寺院にはない変わったものがいろいろと置かれていて面白いです。(それらは後半に写真付きで紹介しています)
ナッ信仰はミャンマー土着の民間信仰
ナッ信仰はミャンマー土着の民間信仰で、37体のナッ神から構成される宗教です。
ナッ神は英語で「ナッツ」(ナッ+複数形のsだと思います)と呼ばれているので、僕は初めて聞いたとき豆の話をしているのかと思いました。
どうしてこの人はこんなに真剣に豆の話をしているんだろうか?って盛大な勘違いをしてしまったのでこれからポッパ山に行く人は気をつけて下さい(笑)
ナッ信仰について知っているとポッパ山観光がより充実したものになると思うので少し解説しておきます。
ナッツは元々は自然の中に存在する妖精のような目に見えない存在を指していましたが、バガン朝時代に政治的に利用されてどんどん形が変わってしまいました。
現在信仰されている37体のナッツは、英雄などが神格化したもののようです。
また仏教の下にあるもの、仏教を支える信仰として、仏教の優位性が確立されています。
仏教徒と言いつつ、実際はナッ信仰の信者というパターンがあるようです。
猿に座られている赤いどんぐりみたいなやつがナッツのシンボルです(↓)
ポッパ山ではないですが、後日訪れたマンダレーで超巨大なナッツを見つけてしまいました(笑)
「PUSH」って書いてあるので、ミャンマー版の起き上がり小法師なのかもしれませんが、見た目はそっくりですよね。
ポッパ山への行き方
ポッパ山への行き方は大きく分けて2つあります。
- 個人で行く
- ツアーで行く
確かに、タクシーや乗り合いバスを乗り継げば個人が自力で行くこともできます。
ただ、ツアーで行くのが断然おすすめです。
値段もあまり変わらず、時間も節約できて、なおかつ楽です。
正直、個人で行ってもあまりメリットはないのでツアーを利用してください。
ポッパ山行きのツアーはバガンの街中にあるお店やゲストハウスで取り扱っています。
泊まっている宿のスタッフにポッパ山に行きたいと言えば手配してくれると思います。
僕もピンサルパゲストハウスで手配してもらいました。
ミニバンに4〜5人乗って、一人往復で10,000チャット弱(約714円)です。
また、一人旅で来ていてもお店(またはゲストハウス)が人数を集めてくれるので大丈夫です。
ポッパ山までの道中の様子
同じ宿のフランス人4人と一緒に9時過ぎに出発
こんなミニバンで行きます。
バガンからポッパ山への道はずっと舗装されているので快適です。
10時前にヤシ酒とヤシ菓子の製造所に到着
バガンからポッパ山行きのツアーはここに立ち寄ることになっているようです。
僕ら以外のツアー客も何組か立ち寄っていました。
ここではヤシ菓子やヤシ酒の製造工程を一通り見学できます。
ヤシ菓子(砂糖の塊みたいな味です)の製造工程を簡単に紹介すると、
まずヤシの木に登って、ヤシの実を取ります。
こんなに長い梯子がかかってました(↓)
次に牛を使って、ヤシの実を薄手砕いて油を取ります。
取れた油を煮詰めます。
丸く固めて乾燥させたらとっても甘いヤシ菓子の完成です。
手前に写っている茶色の玉がヤシ菓子です。
ミャンマーではヤシ菓子は消化を助けると信じられているので、ローカルレストランのテーブルには無料で食べ放題のヤシ菓子が置いてあります。
ということで実は、ここじゃなくてもどこでも食べられます(笑)
でも試食用に置いてあるのでまだ食べたことない人は是非試してみてください。
砂糖の塊なんで甘いですが、独特の風味もあってかなり美味しいです。
お酒は蒸留させて作っているようです。
試飲させてもらいましたが、アルコールが強すぎて味が全然分かりませんでした(笑)
ヤシ酒とヤシ菓子がたくさん売られています。
ただ、売り込みは全然してこないので、欲しければ買うという感じです。
お土産スペースの裏には休憩スペースがあります。
ミャンマーの連休中に行ったのでお茶やお酒を飲むミャンマー人たちが何組かいました。
ヤシ菓子製造所を出てしばらくすると、何やら奇妙な光景に出会いました。
なぜか道の両脇にミャンマー人が座っています。
最初はヒッチハイクしているのかと思ったんですが、数が多すぎる、、、
手前で手を出しているおばあさんの後ろにもたくさんいます。
赤ん坊を抱えるお母さんの後ろにもたくさん
で、反対車線から来た乗り合いバスからお札が何枚か投げられたのを見て気が付きました。
彼らは寄付を求めて近くの村から来た人たちだったんです。
こんな光景が30分くらいずっと続くので、本当にこのあたりの地域には仕事がないんだろうと思います、、、
ポッパ山到着〜バガンに帰るまで
乞食ロードを通り過ぎると、ポッパ山が見えてきました。
11時に麓に着きました。
13時にこの門の前に集合することにして解散、自由行動です。
この白い象の入り口から登ります。
でも登り口の周辺には大量の猿
攻撃的なやつもいるので、気をつけてください。
ミャンマーの寺院に入るときは靴を脱ぐのが常識ですが、ポッパ山は途中までは靴で登れます。
とりあえず靴のまま登り続けてください。
お土産屋だらけの階段をしばらく登ると、靴を預ける場所にたどり着きます。
1,000チャットで靴を預かってくれます。
ちなみに、バッグに入れたり、袋に入れればお金を払う必要はないです。
でもここから先は土足厳禁なので、絶対に上で履かないでください。
靴を預けてからもひたすら登り続けます。
というか、靴を預けてからが本番です。
階段がいきなり急勾配になります(泣)
麓から30分弱かけて登ると、やっと頂上にたどり着きます。
汗ダラダラになるので、タオルと水は絶対に持って行った方がいいです。
頂上には、お決まりのパゴダがあります。
頂上から麓の町を一望できます。
反対側の景色
こちら側は、見渡す限りただただ広大な森が広がっています。
そしてポッパ山名物の渋い仏像のオンパレードです(笑)
ミャンマー仏教の仏像とは一線を画すデザインです。
こんな風にいろいろ面白いものがたくさんあったんですが、個人的にいちばん面白かったのは、これです。
なんかおじさんがポッパ山よりも巨大化されて目の前に座っています(笑)
でも実はこれら渋い仏像もこの絵のおじさんもみんな同一人物で実際にポッパ山で修行していた僧侶です。
名前は、ボー・ミン・ガウンさんと言います。
お酒とタバコとギャンブルが好きだったという破天荒な僧侶ですが、空を飛べたという珍エピソードもあるミャンマーで超有名なお方です。
頂上では、ボー・ミン・ガウンさんがプリントされた偽札を無料でもらえます。
思いっきり、「UNITED STATE OF AMERICA」って書いてあります(笑)
この偽札は山頂にあるボーミンガウンさんにお布施する用のお札なのでみんなもらったらすぐに近くのボーミンガウン像に置いていました。
無料でもらえる偽札をお布施して何か意味があるんでしょうか、、、
ボー・ミン・ガウンさんは、ポッパ山の麓から頂上まで至るところに登場するので、後半は若干見飽きてしまいましたが初見のインパクトは超強烈です。
ちなみに、一番大きいボー・ミン・ガウンさんの像は、白い象の入り口と別の入り口から登る、もしくは下山時にそっちに降りると見ることができます。
もう一つの入り口
この入り口から入ってすぐ左にある巨大ボー・ミン・ガウン像
登りは30分かかりますが、降るのは半分の15分で済みます。
ということで、現地滞在が1時間しかないと頂上には15分しかいられません。
2時間くらい滞在できるようにドライバーとあらかじめ相談しておいたほうがいいです。
逆に2時間以上はすることがなくて暇になります。
ポッパ山を見終わったら、麓の商店街で買い物やお茶して集合時間になるのを待ってください。
13時に待ち合わせ場所に集合し、バガンに帰ります。
行きはヤシ酒の製造所に立ち寄ったので2時間かかりましたが、帰りは直でバガンに帰ったので1時間で着きました。
朝9時に出発して昼過ぎの14時に帰ってくるので、お昼はポッパ山の麓で食べることになります。もしくは軽食を持参してください。
僕は、14時にピンサルパゲストハウスに到着して、少し休憩。その後、16時からボートに乗ってサンセットを見に行きました。
ボートに乗ってサンセットを見る方法
バガンで夕日を見る方法は大きく分けて二つ
- パゴダに登るか
- ボートから見るか
僕は前日にパゴダに登って夕日を見たので、今日はボートから見ます。(登れるパゴダは以下の記事で紹介しています)
ピンサルパゲストハウスの前のレンタル屋で自転車を借りて、港まで行きます。
連れて行ってくれるのかと思っていたら、バイクに乗ったお姉さんが宿まで来て先導してくれるだけという謎のスタイルでした(笑)
ピンサルパゲストハウスから港までは自転車で10分くらいです。
港にはいくつも船が停泊していて、結構大きな船に乗るんだなあと思っていたら、それは全くの勘違い。
僕は写真手前の木造舟に貸切で乗りました(笑)
運転手のお兄さんとアシスタントの弟さん
洗濯や手網漁をしているのどかな風景を見ながらエヤワディ川をゆっくり北上します。
15分ほど北上したところで、上陸
ここからなぜか山に入っていきます。
10分歩いてもまだ着かない、、、
結局20分弱歩いてやっとたどり着いたのが、この場所
Kyaukgu Uminという遺跡です。
バガンの遺跡群からだいぶ離れていて誰もこないはずなのに、手前にはお土産屋がありました。
でもこの遺跡は結構雰囲気があって、バガンの遺跡群よりもワクワクしました。
というのも、ここはまだ発掘途中の遺跡なんです。
だから内部はこんな感じで、狭かったり、暗かったり、
なんだか冒険している気分を味わえます。
ここは屈まないと先に進めません。
もちろん入り口入ってすぐにはお決まりの巨大仏像もあります。
また、この遺跡の横には階段がついていて上まで登れます。
ここからの景色も結構きれいですよ。
来た道を戻って、もう一度ボートに乗ります。
そこから今度は少し南下し、また上陸します。
ただし今回は、そんなに歩きません。
上陸してすぐ、寺院につきます。
その寺院の敷地内にあるパゴダ(↓)を通り過ぎて、
丘を登ると、また別のパゴダが見えてきます。
このパゴダは普段は鍵がかかっていて中に入れないんですが、このボートツアーに参加すると運転手のお兄さんが僧侶から鍵を借りて開けてくれます。
入って左手の階段を上ると、丘の上のパゴダに登ってエヤワディ川を見下ろすことができます。
バガンのパゴダはほとんど登れないので登れるパゴダは超貴重ですよ。
(どうしてもパゴダに登りたいけど登れるパゴダの場所が分からないという人はこのボートツアーに参加してもいいかもしれません)
このパゴダの場所はここです。
もう少しでサンセット
写真だとうまく魅力が伝わらないのが悲しい(泣)
もっときれいなんですよー。
パゴダから降りて寺院の中を少し見学させてもらうと、何と洞窟を発見
洞窟の中には瞑想部屋がありました。
そして洞窟を抜けた先には、、、
涼んでいるおじさんがいました(笑)
ここは断崖絶壁に作られたプライベートサンセット鑑賞スペースです。
実はこんなところにあるんですよ(↓)
川をボートで下っているときは全然気がつきませんでした。
さて、これで見学はおしまい。
ボートに戻って、エヤワディ川の上でサンセットを見ます。
すごく幻想的な龍のような夕日を見ることができました。
最初見たときは何かのイベントで龍の形に何かが燃えているのかと思いましたが、夕日と雲がたまたまこうなっただけでした。
なんだか得した気分です。
でも沈むの早いですね。
すぐ見れなくなってしまいました。
アシスタントの弟と夕日
18時過ぎに港に戻ってサンセットクルーズは終了です。
2時間越えのクルーズで一人20,000チャット(約1,429円)です。(レートは1円=14チャットで計算しています)
遺跡探検やパゴダに登ることもできてさらにボートからサンセットも見られるので、このクルージングは結構オススメです。
前日に見たブッパヤーの下からもボートに乗れるんですが、そちらはパゴダには登れません。
料金はだいたい15,000チャット(約1,071円)くらいです。
もしボートからサンセットを見る場合はフミヤさんコーディネートのボートツアーに参加した方が充実の時間を過ごせると思います。
ピンサルパゲストハウスに泊まっていなくても参加できるので、受付にいつも座っているフミヤさんに声をかけてみてください。
かなり詰め込んだツアーなので疲れるかもしれませんが、充実感は150%味わえます。
がっつり観光したい場合はこのツアーを組んでみてくださいねー。
おまけ
ミャンマーでボートツアーといえば、やはりインレー湖です。
超巨大な湖をボートで一日かけて観光します。(見る場所を絞って半日だけ観光する人もたくさんいます)
僕は実際にインレー湖で一日ボートツアーに参加しました。
その時の体験をまとめたので読んでみてください。
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