鋼の錬金術師の作者、荒川弘が少年サンデーで連載中の「銀の匙」という漫画を知っているでしょうか?
北海道に実在する帯広農業高等学校という農業高校をモデルにした漫画で、中学まで農業と無縁だった主人公が、悪戦苦闘しながら徐々に農業の魅力に目覚めていく話です。
この漫画を読んでいると「農業いいなあ。おれもやってみたいなあ」って気持ちになってきます。実際、少年サンデーを読んでいる中学生に大きな影響を与えていて、定員割れが続いていた全国の農業高校を救っているようです。(作者曰く、中高生を読者にしているサンデーだからこそ銀の匙を連載することにしたとのこと)
つまり今、農業高校が熱い!
ビッグイシュ−370号では、三重県にある愛農学園農業高等学校が特集されています。なぜならこの高校は全国の農業高校の中で最も日本の農業に貢献しているかもしれないすごい高校だからです。
目次
農業高校に通う生徒はどのくらいいるの?
僕は何にも考えず全日制の普通科に進学してしまいました。周りの友達もほとんど全員が普通科に進学し、たまに理数科に行った人がいるくらいです。なので当時は、農業高校という選択肢があることすらよく知りませんでした。
でも現実に農業高校に通っている子どもはいます。農林水産省によると、農業高校は全国に約300校あり、生徒数は8万人です。
全国の高校生が300万人くらいなので、農業を学ぶ高校生は全体の3%ですね。300校を都道府県数で単純に割ると6.4、自分の住む都道府県に6-7つほどの農業高校がある計算になります。
でも埼玉県に6つも農業高校があるとは思えないけどなあと思いながら検索してみると、、、確かに7つの農業高校がありました(農業科を設置する普通校も含む)
各都道府県に6つずつ農業高校があって全国の高校生の3%が通っているんだから、気がついていないだけで身近に農業を学んでいる子どもがいるのかもしれませんね。
農業高校卒業者は農業を仕事にしているの?
普通科に進学した高校生は大学受験したり、営業職についたり、土木の仕事をしたり、要はなんでもやっています。
では、農業高校に進学した人もなんでもやるんでしょうか?
高校進学時に農業を選択するくらいですから、将来的に農業に関連する仕事につく気がします。でも実際には卒業後に農業を本職にする人は少ないようです。それは農林水産省が公表している数字を見れば明らかです。
農業高校卒業者の就農率は2ー3%
農林水産省が公表しているデータによると、農業高校を卒業後に農業関連の仕事に就く生徒の割合は3%、農業高校卒業後に農業大学に進学する生徒は4%です。
つまり農業高校卒業者の97%は直接的に農業とは関係ない分野に就職もしくは進学しています。ちなみに農業大学卒業後に就農する人の割合は55%くらいです。
全国の高校生を300万人とすると、
高校卒業後に就農する人:9万人
農業大学に進学する人:12万人(うち6万6千人が卒業後に就農)
全国の高校生300万人のうち約16万人(9万+6万6千)が学問として農業を学び、将来的に農業の世界に入っている計算になりますね。
でも農業高校に進んだ子どもの約6%しか農業を本業にしていないというのは少ない気がします。農林水産省も同じ懸念を持っていて農業高校と農業大学の連携強化など色々と対策を講じているようです。
愛農学園農業高等学校はスーパー農業高校
全国の農業高校卒業生の3%しか就農しないという厳しい状況の中、愛農学園は驚異的な数字を叩き出しています。
ビッグイシュー370号の誌面によると、愛農学園卒業者の就農率は45%、およそ半数の生徒が農業の道に進んでいます。農業大学への進学を含めればもっと多くなるでしょう。
全国唯一の私立の全寮制農業高校という特徴のおかげなのかもしれません。1年中、農業と農業に興味のある友達に囲まれていると農業への愛着が深まるのかな?
370号の誌面に載っている子どもたちの笑顔はとても爽やかで楽しいそうです。ぜひ誌面で確認してみて下さい。
ビッグイシューを売っている場所やその他の詳しい情報は公式ホームページから確認できます。また、ビッグイシュー基金を通して寄付を行うことも可能です。興味のある方は以下の公式サイトを確認してみください。
ではまた
周登
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