【ビッグイシュー366号】2050年には海中プラスチック量が魚の量を超えてしまうらしい

ビッグイシュー366号

ビッグイシュー366号の特集は「プラスチック革命」

内容は、革命的な何かが起きたというよりは人々のプラスチックに対する認識を改めて地球環境を保護しましょうという感じです。

そう書くとなんとなくどこにでもあるプラスチックによる環境被害を書いた普通の記事のように感じますが、紙面の内容は想像以上に深刻です。

ビニール袋やペットボトル、肉や魚のトレーなどは捨てないでリサイクルごみとしてちゃんと分別しているから大丈夫と思っている人にもぜひ読んでもらいたい記事です。(僕もその一人でした)

もちろんビニール袋やペットボトルを捨てるのも問題ですが、実はほかにも深刻な問題を引き起こすプラスチックがあるんです。

世界中で生産・使用されているプラスチックの量

全世界でどれほどのプラスチックが生産されているのか?

はっきり言って想像もつかないですよね。

日常生活のあらゆる場所にプラスチックがあるし、東南アジアの最貧国の村にだってビニール製品は浸透しています。

そのくらい日常的に使われているプラスチックは現在、全世界で3億4800万トンも作られています。そして僕ら日本人は一人当たりのプラスチック消費量がアメリカについて世界第二位です。

全世界のプラスチック生産量

プラスチック生産量

プラスチックの一人当たりの消費量

一人当たりのプラスチック消費量

つまり、乱暴な言い方ですが、世界で2番目にプラスチックに起因する地球環境汚染に貢献しているということですね。

表のとおり、現在も生産量は現在も右肩上がりに増えていて、このままだと、2050年には魚の量よりもプラスチックの量のほうが多くなってしまうなんて話も出てきています。

あんなに巨大な海にごまんと生息している魚よりもプラスチックのほうが多いなんて状況は異常以外の何物でもありません!

どうしてプラスチックばかり作られているのか?

スーパーのレジ袋が有料化・廃止されるなど今や世界的に悪役として扱われているプラスチックですが、もともとは世界の救世主でした。

プラスチックの発明によってさまざまな問題が解決されたからです。

例えば、亀の甲羅や象牙などの野生動物を殺して作られていた製品をプラスチックに変えて野生動物を乱獲から守ったり、重い素材で作られていた容器をプラスチックに変えて輸送にかかるエネルギーやCO2を減らしたりなどプラスチックは大活躍でした。

しかし、軽い、丈夫、加工しやすい、安価など一見するとメリットだらけのプラスチックは過剰生産され、地球環境を汚染し始めました。自然界で分解されないという特徴も汚染に拍車をかけけています。

人は目に見えないプラスチックを食べながら生きている?

今回の記事で最も衝撃的だった事実は、僕らがプラスチックを日常的に食べているという話です。

相当な偏食でない限りペットボトルなどの大きなプラスチックは食べないと思います。

でもマイクロプラスチックと呼ばれる5㎜以下のプラスチックは気が付かないうちに僕らの食卓に上がってきているんです。

特に魚などの海の幸にはマイクロプラスチックが含まれています。

なぜなら日常生活で発生したプラスチックが年間1000万トン弱も海に流れ着き、そのプラスチックをプランクトンが食べ、プランクトンを魚が食べるからです。

マイクロプラスチックが食物連鎖のピラミッドに入り込み、まわりまわって人間の体内に入ってきているということですね。

日本人の体内にプラスチックが入ってきていることを証明した研究もあります。https://www.afpbb.com/articles/-/3194474

 

もう一つ衝撃的な話をすると、実はマイクロプラスチックは空中にも漂っています。

つまり僕らはプラスチックを吸いながら生活しているんです(泣)

もちろん空中に漂っているプラスチックを吸ったり、マイクロプラスチックを食べた魚を食べてもすぐに病気になるわけではありません。

でも今後さらにマイクロプラスチックの量が増えていけば、いずれ体が自然に輩出できる限界を超えてしまうでしょう。

そうなる前に自然環境からマイクロプラスチックを取り出す必要があります。

とはいえ、すでに流れてしまったものを完全に回収することは難しいので、現実的な対策としてはこれ以上マイクロプラスチックを出さないということになるんだと思います。

実はこんなものからもマイクロプラスチックが排出されている

ペットボトルやビニール袋などのわかりやすいプラスチック製品以外にもプラスチックを含んだものはたくさんあります。

例えば、レーヨンやナイロンなどの合成繊維を含んだ服は洗濯機で洗うたびにマイクロプラスチックが剥がれてしまい、結果的に海を汚染しています。

小さな粒の入ったスクラブ洗顔料や合成ゴムのタイヤも使う度、走る度にマイクロプラスチックを出してしまいます。

そう考えると、マイクロプラスチックを出さない生活はほぼ不可能な気がしてしまいますよね、、、

洗濯機に特殊なフィルターを付けてマイクロプラスチックを逃がさない方法や、ナイロンと似た性質をもつ天然素材を使って服を作る方法などが開発されているようですが全世界的に普及するにはまだまだ時間がかかりそうです。

日本のプラスチックリサイクルは世界的には認められていないらしい

最後に、これまた衝撃的なお話。

日本は技術大国、先進国だからプラスチックを捨てないでうまくリサイクルできているんじゃないか?

僕はそんな期待を持っていました。

実際、日本のプラスチックリサイクル率は80%越えなんて言われることもあるようです。

でもこれにはからくりがありまして、実はプラスチックを焼却処分して熱エネルギーに変換する方法をリサイクルとしてカウントしているんです。

でも世界的には、焼却処分による熱エネルギーの回収はリサイクルとは認められていません。

確かに焼却処分するとCO2も排出しまくっているし、灰は処分場内に埋めているんだからリサイクルなの???って感じですよね。

なので熱回収を除いて、廃プラスチックを新たなプラスチックとしてリサイクルできている割合は約30%なんだそうです。

つまり70%のプラスチックは何かしらの形で環境汚染につながっているんですよね、、、

 

とまあ、悲しい話ばかりしましたが最後に明るい話題です。

なんと、日本環境設計という会社がプラスチックをほぼ100%リサイクル方法を開発してすでにリサイクルを始めているそうです(万歳!!!)

新たな雇用も生まれし、環境汚染もなくなるし、本当にいいことだらけです。

まだ世界規模には広がっていないようなので、ぜひこれから海外にも工場を作っていってほしいです。

技術の流出とか特許とか難しい問題もあると思うけど、うまくいくことを願っています!!!

 

ビッグイシューを売っている場所やその他の詳しい情報は公式ホームページから確認できます。また、ビッグイシュー基金を通して寄付を行うことも可能です。興味のある方は以下の公式サイトを確認してみください。

ビッグイシューホームページ

ビッグイシュー基金ホームページ

 

ではまた

周登

ビッグイシュー記事まとめ

2019年9月7日

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