今回は、19歳の頃にインフルエンザに罹ったのを最後に半世紀近くも体調を崩さず、薬も飲んだことがないという驚異的な生活を送っている現役医師が書いた健康本を紹介します。
理論ではなく、自身の体験および数十万人の患者の経過観察を通して実際に集めた知見に基づいて書かれた事実ベースの本なので、かなり説得力があります。
その中には一般的に信じられている「健康に良い食生活」を完全に否定する話もあります。というか大部分が現代の栄養学や医療を否定する衝撃の内容です。
例えば、
- 牛乳を飲むと骨粗しょう症になる
- 胃薬を飲むと胃の状態は悪化する
などなど、この他にも衝撃的な内容が目白押しです。
信じられないというか自分のこれまでの食生活が完全に否定されるので信じたくない。そんな本ですが、著者の実体験と膨大な臨床結果に基づいて書かれている本なので一定の説得力があります。もちろん書かれている内容に関して反対意見もありますが。
とはいえ、24時間365日健康について考え、ロボットのように超規則的な生活をしている著者と同じ生活スタイルを実現することはほとんど不可能です。
でも完全に真似しなくても部分的に取り入れれば無理なくそこそこ健康を送れる気がしませんか?笑
そこで今回は読んでいて特に衝撃的だった内容、役に立ちそうな内容をピックアップして紹介していくので、使えそうだなあと思ったら日常生活に取り入れてみてください。
目次
著者(新谷弘美)の紹介
アメリカ消化器内視鏡学会で、多くの賞を受賞している胃腸内視鏡分野の世界的権威。世界で初めて、大腸内視鏡を使ったポリープ切除術を考案し、その技術によりガン発症リスクを大きく減少させた功績を称され、医学誌『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』において、医学界に大きな影響を与えたドクターのひとりに選ばれた。この功績は、ハーバード大学医学大学院名誉教授Paul Zoll博士が発見した電気ショックによる心拍の再開や、アメリカにおけるガン治療の第一人者Sidney Farber博士が初めて成功させた小児白血病の治療法などとともに、医学史に残る8つの偉業のひとつとされている。各界のトップやハリウッドスターなど多くのVIPから主治医として支持される。著書『病気にならない生き方』は200万部を超すベストセラーとなり、16種類の言語に翻訳、世界中で販売されている。
ウェキペディアにあまり情報が載っていなかったので新谷医師が開発した商品を紹介するページから引用しました。自分の商品の紹介ページなので、いいことしか書いていませんね笑
でも今では世界中で行われている内視鏡手術を開発したという点に関しては誰もが認める偉業だと思います。
では著者の紹介はこのくらいにして、本の内容紹介に入ります。
牛乳って本当に健康にいい飲み物なの?
病気にならない生き方は今から10年以上前に出版された本ですが、ベストセラーにもなっていて、当時はかなり世間を騒がせたようです。
特に「牛乳は健康に悪い」という主張は世の中の牛乳健康神話を真っ向から否定しているのでテレビ番組でも頻繁に特集が組まれて一大ブームを巻き起こしました。
牛乳嫌いの人にとっては最高の情報ですよね。
小学生のころに牛乳を嫌いな同級生が給食で牛乳を飲まされていましたが、当時の先生たちが牛乳が健康に悪いなんて話を聞いたら道南言い訳をするんでしょうね。
そもそも白米と牛乳の組み合わせはお世辞にもおいしいとは言えないので、牛乳嫌いではない僕も給食の牛乳には疑問がありました。
まあそんな僕の個人的な話は置いておいて、どうして著者が牛乳は健康に悪いと主張しているかについてです。
理由はとても単純で「牛乳は子牛のための飲み物なので人間には合わないから」です。
確かに牛の乳ですから牛が飲むのが普通です。
読んでいるなるほどなあと思ったんですが、本には「自然界において乳を飲むのは子どもだけである」という趣旨の記述がありました。
たしかに牛乳を飲んでいるのは牛の子どもだけだし、豚の乳を飲んでいるのも豚の子どもだけです。それぞれの種が自分の子どものために栄養を調整して体内で作り出しているのが乳ですから、体が十分に成長している大人は乳を飲む必要がないわけです。まして異なる種の乳なんて栄養バランスがおかしくなるので絶対に飲みません。
でも人間だけが、異なる種の乳を大人になっても飲み続けています。そして人間が人間のために作り出している母乳を飲んでいる大人はいません。確かにおかしいですよね(笑)
では子牛のためにつくられている牛乳を人間が飲むとどうなるかというと、著者曰く、牛乳は子牛用の栄養なので人間の体内に入っても効率的に吸収されずに排出されてしまうそうです。そして異物である牛乳を排出するために体内の各種リソースが消費されるので結果として人間に必要な栄養素が体内から抜けてしまうとのことでした。
これが冒頭で紹介した「牛乳を飲むと骨粗しょう症になる」という話のメカニズムです。
本の中では最も詳しく解説されていて、牛乳によって引き起こされたと思われる健康被害なども報告されています。
かなり衝撃的な内容なのでお茶の間をにぎわし、最終的には、全国の酪農業社で構成される一般社団法人Jミルクという団体が公開質問状を送り、著者とガチンコ勝負を仕掛ける事態に発展しました。
公開質問状のやり取りを確認してみましたが、著者も団体も自分たちの言いたいことを言っているだけで全然議論の体をなしていませんでした。でも団体としては、牛乳に対する悪評に断固抗議する姿勢を見せたかったのだと思います。公開質問状を読んでみたい方は以下のリンク先からご確認ください。
https://www.j-milk.jp/news/8d863s000007j0p1.html
ただ、出版から10年以上経過してもいまだに学校給食で牛乳が提供されている状態を見ると、団体の抵抗は成功したと言えますね。
個人的には、牛乳の健康への影響うんぬんは関係なく、給食のおともはミネラルウォーターでいいと思っています。飲めない人が一定数いる飲み物を有料で無理やり提供しているのはどうかと思いますし、そもそも牛乳と合う味の献立なんて給食全体の1割もないでしょう(泣)
健康的な生活を送るポイントは「酵素」
さて、牛乳を例に出して、世の中で健康だと思われているものが実は健康に悪いのかもしれないという話をしました。
では、著者が主張する「健康に良い」食べ物はどんなものなのか?
それは一言でいうと、エンザイム(酵素)が豊富に含まれた食べ物です。簡単に言うと、新鮮な食べ物のことです。
例えば、リンゴを食べずに保管しておくと徐々に茶色くなっていきますよね。
この茶色くなってリンゴにはエンザイムが含まれていないため、食べても健康になることはありません。むしろ、茶色くなっている(つまり酸化している)リンゴを食べると、健康を害する物質が体内に溜まっていきます。
リンゴに限らず、基本的にどんな食材でも新鮮な状態で食べることが健康につながるというのは、まあそうだよなあと誰もが思う話ですよね。
エンザイムとか酵素とだけ書いてもよくわからないと思うので、もっとかみ砕いて説明しておきます。
「新鮮なもの=エンザイムが多い=健康になる」という論理は「エンザイムが少ない=健康を害する」という話をするとよくわかると思います。
簡単に言うと、エンザイムとは体の中で栄養を分解して体に吸収させてくれたり、毒素を分解して体外に排出したりしてくれるものです。
たとえば、お酒を飲んだあとに体がだるくなるのは、アルコールの分解のために大量のエンザイムが消費されていて、他のことに体力を使う余裕がないからです。
体質的にお酒に強い人は、アルコールを分解するエンザイムを多く持っている人で、お酒に弱い人は、その逆です。
そして体内にはアルコールを分解するエンザイム以外にも無数の種類のエンザイムがあって、それぞれ役割が違います。
つまり、体内にエンザイムがたくさんある人は健康で、エンザイムが少ない人は健康を害しやすいということです。
なので、新鮮な食べ物を食べてエンザイムを増やし、お酒などの必要以上にエンザイムを消費するものを食べずにエンザイムを温存すると健康な生活を送れるようになります。
これが著者が実践している病気にならない生き方です。
ただし、冒頭で書いた通り、著者はロボットのように超規則的な生活を送っています。(規則的な生活をすることもエンザイムを温存する方法の一つです)
それを真似するのははっきり言ってかなりきついです。
かなり事細かに解説されているのですべてをここに書くのは難しいです。実際の本を読んで確認してみてください。
簡単に真似できそうな習慣だと、
- 食事の前に果物を食べる
- 最低30回は噛んでから飲み込む
- 白米ではなく玄米を混ぜた雑穀米、もしくは胚芽米を食べる
- 朝昼晩の食事の30分前に水を500㎖飲む
頑張ればなんとか真似できる習慣だと、
- 肉、乳製品、油物を避ける
- コーヒーや日本茶などの水以外の飲み物を避ける
こんな感じでしょうか。
無理しないことが健康な生活を送る一番の秘訣
正直、肉や乳製品など普段の生活で食べているものを今から完全に絶つのはかなり厳しいです。コーヒーやお茶だってかなり飲んでいます。
著者の生活スタイルを完全に真似すれば、著者と同じように半世紀近く体調を崩さず薬を飲む必要のない健康な生活を送れるのかもしれません。
でも1週間くらいは真似できるかもしれませんが、何年も続けるのは絶対に無理です。
実は本の中で、健康な生活を送る秘訣の一つは「幸せであること」という話が紹介されています。
エンザイムの多い食材を食べ、エンザイムを消費する食材を食べない生活を無理して続けても、精神が不安定になったら健康にはなれないということです。
なので、先に紹介した簡単に真似できそうな以下の習慣からいくつか選んで、少しづつ無理なく自分の生活に取り入れていくといいと思います。
- 食事の前に果物を食べる
- 最低30回は噛んでから飲み込む
- 白米ではなく玄米を混ぜた雑穀米、もしくは胚芽米を食べる
- 朝昼晩の食事の30分前に水を500㎖飲む
牛乳が健康に悪いという話は賛否両論ありますが、たくさん噛んでから飲み込んだほうがいいということについて反対している人はいません。白米より玄米のほうが健康にいいというのも自明です。
僕はとりあえず30回噛むことから始めてみようと思います。
何も準備しなくていいですしね(笑)
今回紹介した内容は、実際の書籍のほんの一部です。
他にも面白い話、役に立ちそうな話がたくさん書かれているので、興味のある方は書籍を購入して読んでみてください。活字が苦手な人向けに漫画版もあります。
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ではまた
周登
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