【バイク好き必見】クロサワコウタロウの珍夜特急が面白い【ユーラシア大陸バイク旅】

キンドルアンリミッド会員に登録してから読書の機会が飛躍的に増えました。やはり読み放題はいいですね。でもいくら無料だからと言って面白くもない本に時間を使いたくはありません。

そこで、キンドルアンリミテッドに登録されている面白い本を探しているときに、気になるタイトルを見つけました。

 

その名も「珍夜特急」

 

超有名な旅小説の深夜特急のパクリだろうと思ってスルーしようと思ったんですがよく見てみると星5つの評価ばかり。さらにレビューを読んでみると、どうやら深夜特急のパクリではなくオリジナル作品とのこと。こんなに評価の高い本も珍しいので読んでみると、確かに面白い。全6巻ありましたが、ほぼ一気に読んでしまいました。

 

海外に出たこともなく、英語が話せるわけでもなく、バイクに詳しいわけでもなく、帰国後の当てがあるわけでもないけど、ただただ面白いことをやってみたかった。だからバイクでユーラシア大陸を横断してみることにした。

 

こんな青年の旅が面白くないわけないですよね?笑

 

著者のクロサワコウタロウって何者?珍夜特急はなぜ生まれたのか?

珍夜特急は著者のクロサワコウタロウが1999年(当時22歳)の頃に、約1年かけてインドのカルカッタからポルトガルのリスボンまでのバイク旅をまとめた小説です。

当時は大学2年生で、大学を休学してこのバイク旅に出発しました。そして帰国後に大学を除籍になっています。かなり思い切りのいい人物です。

退学と除籍の違い
退学:大学を辞めても在籍時に取得していた単位や、大学に在籍していた事実が残る

除籍:そもそも大学に入学していなかったことになる

書籍のタイトル、著者の名前、ルート設定などが旅人のバイブルとも呼ばれる沢木耕太郎の深夜特急にとてもよく似ているのでパロディ作品と誤解されることが多いと思います。

でも実際には、著者の名前(クロサワコウタロウ)は本名です。さすがにバイク旅を始める前から深夜特急の存在は知っていたようですが、完読したのはバイク旅のあとでした。名前が同じで、旅のルートも似ていたのでタイトルはわざと似せたようですね。

僕も実際に読んでみるまでパクリ作品かと思っていたんですが、中身は全然違っていて、しかも深夜特急と同様にかなり面白いです。

 

深夜特急と珍夜特急はどう違うの?

深夜特急を書いた沢木耕太郎は「出社初日に雨が降っていたから一日も出社せずに退職した」というぶっ飛んだ人物です。また、20代前半にして早くも日本でルポライターとして評価されていた人物でした。

なので、自分とは違う超人のような気がしてしまいます。

 

一方で、珍夜特急を書いたクロサワコウタロウは、その日暮らしのお気楽な大学生というどこにでもいる人なので、共感が持てます。

(失礼な言い方ですが)こんな人でも一人でユーラシア大陸を走破できてしまうんだなーと思えてくるので、なんだか自分にもできそうな気がしてきて、わくわくしてくるという感じです(笑)

 

作品自体は、深夜特急が1970年代中盤、珍夜特急が1990年代後半なので15年ほどの開きがあります。でも2019年に暮らしている僕らから見るとどちらも同じようなものです。

要は、インターネットと携帯電話がない、またはほとんど使えないからこそ生まれる数々のエピソードがどちらの作品も魅力的ということです。

同じような旅を2019年に実行し小説にしたとしても、きっとあそこまでの冒険っぽさは出ないですね。僕もインターネットがない時代に旅をしてみたかったです。たとえ自分がインターネットを使わない旅をしても、周りが使っていたら人づてに入ってくる情報の精度やスピードは上がります。するとドキドキやワクワクは減るわけです。

 

ルートや時代背景など二つの作品には似ている部分もありますが、それでも中身は全然違います。一番の違いはやはり移動手段ですね!

  • 深夜特急 → バス移動
  • 珍夜特急 → バイク移動

 

この移動手段の違いがそれぞれの小説に異なるオモシロ事件を巻き起こします。もちろんどちらの小説も面白いですが、より興味のある移動手段の本を読んだらいいと思います。

特にバイク好きの人には珍夜特急はたまらないと思います。

世界中の道をバイクで走るとどんなトラブルに巻き込まれるのか。それをどのように解決していくのか。バイク仲間とはどんな交流が生まれるのか。

バイクに乗らない僕もバイクを買って出かけたくなるくらい面白かったです。

 

珍夜特急の魅力・印象的な場面

深夜特急については別記事でレビューしているので、ここからは珍夜特急について詳しく紹介していきます。

【大学生向け】毎日退屈なら深夜特急を読んで旅に出てみよう【書評・レビュー】

2019年11月15日

主人公がどこにでもいそうな一般人

冒頭でも紹介しましたが、珍夜特急の主人公はどこにでもいるごく普通の大学生です。特別頭のいい人物でもなければ、運動が得意な人物でもありません。むしろ運動は苦手だし、英語もほとんど話せないレベルでした。

 

例えば、

Can I sit here?(キャンアイスィットヒア?)

ここに座ってもいいですか?

 

と言おうとして、

 

Can I shit here?(キャンアイシットヒア?)

ここでをしてもいいですか?

 

と発音してしまい欧米人に爆笑されたエピソードからは、主人公の英語力と、日本人っぽさがよく伝わってきます(笑)

もし自分が外国人と英語で会話したことがほとんどない状態で海外一人旅なんてしたら、間違いなく同じような失敗をするでしょう。(ちなみに僕は初めての海外旅行時に、LとRの発音を区別できなくてさんざん笑われた経験があります泣)

 

でもそんなレベルの人だからこそ、旅先で起こるエピソードはどれも自分とかけ離れていない等身大のもので、共感が持てますよ。

 

旅先で出会う人物が面白い人ばかり

もちろん小説に書いても面白くないような人についてわざわざ書く必要はありません。なので、小説に出てきている人たちが面白いのは当然といえば当然です。

でもそれを差し引いても珍夜特急に出てくる人たちは魅力的ですよ。

特に先輩ライダーのノッチと彼女のシルビアぬきには珍夜特急は語れません。きっと彼らとの出会いがなければ珍夜特急は全然違った物語になっていたはずです。もしかしたらそもそも珍夜特急を書いていないかも(それは言いすぎかな?)

ノッチからはバイク旅に関するあらゆる知識とスキルを学び、彼女のシルビアの男勝りな性格は旅をよりスリリングなものにしてくれています。ノッチが運転するバイクの荷台に乗っている状態で、横付けしてきた車を蹴っ飛ばすなんて豪快な技も披露していました(笑)

 

あとは旅の終盤で出会ったエルビス(日本人)も強烈なキャラですね。180㎝を超える大柄な大学生でこわーいお兄さんたちにも全然怯みません。むしろ喧嘩が始まるのを楽しみにしているくらいです(笑)

 

半年以上も同じ宿に泊まり続けて管理人みたいになっている旅行者もいたし、色々な種類の薬を集めてゲストハウスで吸いまくっている薬物研究会なんて怪しい日本人集団も出てきましたね。

まだまだいるんですが、きりがないので紹介はこのくらいにしておきます。ぜひ読んでみてください。

 

珍夜特急は全巻無料で読めます

キンドルアンリミテッドに無料登録すると全巻無料で読むことができます。ちなみにキンドルアンリミテッド自体も登録から30日以内は無料なので1円もかけずに読めますよ。

 

 

キンドルで無料ダウンロードした本を自分のパソコンに永久保存する方法を紹介した記事もあるので、ぜひ読んでみてください。この方法を使うと、10冊までしかダウンロードできないキンドル本を無制限にダウンロードできるようになります!

【追加料金なし】キンドルアンリミテッドで10冊以上の本を無限ダウンロード&永久保存する方法を解説します

2019年11月11日

 

ではまた

周登

 

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